脱毛症

更新 2021/5/10

脱毛症とは毛髪の本数が少なくなったり、細く短くなった(軟毛化した)結果、髪が薄くなることです。

脱毛症の原因として代表的なものが円形脱毛症と男性型(女性型)脱毛症の二つであり、どちらも毛包(毛を取り囲む組織層)の発育が関係しています。

円形脱毛症は類円形の脱毛斑を生じる脱毛症で、毛包組織に対する自己免疫疾患と考えられています。肉体的・精神的ストレスが引き金となって生じることで知られていますが、明らかな誘因がはっきりしない場合もあります。脱毛斑が単発のものから複数のものまで、また毛髪のみに生じるものから全身の毛に至るものまでさまざまです。

男性型脱毛症は主に男性ホルモン(アンドロゲン)の影響で生じる脱毛症です。男性ホルモンの影響が女性に生じた場合は女性型脱毛症と呼ばれ、更年期以降で生じやすくなります。本来の太く長い毛を作る毛包の毛周期(毛の生え変わり)が男性ホルモンによって早まり(毛包のミニチュア化といいます)、毛包が十分大きくのなる前に毛が抜け落ちてしまうため、細く短い毛になります。

これら二つの原因による脱毛症は主に皮膚科領域での治療となりますが、大切なことはまず最初にその他の原因を除外することです。膠原病、薬剤、出産、鉄欠乏性貧血、亜鉛欠乏症、甲状腺機能亢進症・低下症、高プロラクチン血症、透析治療なども脱毛症の原因となります。

膠原病では全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、全身強皮症などが脱毛症の原因となります。もちろん膠原病の方に円形脱毛症や男性型(女性型)脱毛症などが生じる場合もあるため、慎重な評価が必要です。
また、薬剤の副作用としての脱毛症はしばしば生じるものであり、決して珍しくはありません。抗がん剤によるものが有名ですが、その他の様々な薬剤が原因となり得るため、ある薬剤を使い始めて数週間~数ヵ月で髪の毛が薄くなったと感じたときは、まずその薬剤を疑っていったん中止するなどの判断が必要となります。といっても自己中断は病気自体を悪化させるきっかけとなるため、その薬剤を処方している先生に必ず状況を伝えて、原因として疑わしいかどうか・中止可能かどうかなどを相談してみましょう。
リウマチ膠原病領域の薬剤ではメトトレキサートによる脱毛が知られていますが、それ以外の免疫抑制薬・免疫調節薬などでもときどき生じることがあるため、自己判断は禁物です。

TEL
03-3541-2323予約制
院長
清水 久徳
診療内容
リウマチ科、内科、アレルギー科
住所
〒104-0044
東京都中央区明石町11-15 ミキジ明石町ビル2階
アクセス
日比谷線・築地駅(3a、3b、4番出口)徒歩3分
有楽町線・新富町駅(6番出口)徒歩5分
ご利用可能
クレジット
休診日:水曜午後・土曜午後・日曜・祝日
診療時間 日祝
9:00~12:30
13:30~17:00