更新 2020/8/31
ステロイドは上手に使えばメリットも大きい
ステロイドは抗炎症作用・免疫抑制作用をもつ薬剤で、他に治療の選択肢がなく副作用も知られていなかった時代には非常に多く使われていたようです。その後、特に長期間・高用量で使用したときの副作用が問題となり、以前ほど頻繁には使われなくなりましたが、現代においても一定の存在感があります。副作用を避けるよう上手に使えば患者さんにメリットの大きい薬剤です。
これまでステロイドを飲んできたものの、体調によくない変化を感じたり副作用が心配なため、できれば減量・中止したい、または先生にステロイドを薦められたけれどどうしても抵抗がある、という方もいらっしゃると思います。現在の日本においても、ご両親の世代などで適切な副作用予防なくステロイドのみで長く治療された結果、その副作用を間近で見てこられたご家族などの抵抗感が非常に強いケースもあります。
ステロイドの副作用が気になる場合は
先生には「ステロイドを飲むと〇〇の症状が出てつらいので減らしたい・やめたい」「家族の副作用を間近で見てきたのでステロイドだけはどうしても使いたくない」など正直に伝えてみてもよいかもしれません。治療というのは患者さんご自身の気持ちが後ろ向きなときは、うまくいくものもいかなくなってしまう場合があります。これらの要望に対して、ステロイドの必要性(他の治療薬との効果の違い)や副作用対策など先生の説明に納得でき前向きに治療を受けられるようであれば、一歩踏み出してみてもよいでしょう。治療選択の幅が広がることは決して悪いことではありませんから。