更新 2021/2/14
頭痛と言っても頭のてっぺんから顔面や後頭部まで、生じる部位は様々です。
その原因を考えるときは背景に別の病気があるかどうかで大きく二つに分け、ない場合を一次性(機能性)頭痛、ある場合を二次性(症候性)頭痛と呼びます。
頭痛の大半は一次性であり、一次性頭痛は多い順に緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3つに分けられます。
緊張型頭痛は後頭部の痛みが特徴です。首や肩の凝りからくるもので、ストレスや長時間同じ姿勢でいることによる筋肉の緊張で血流が低下することなどをきっかけに筋膜が痛みを感じやすくなり生じると考えられています。
片頭痛は片側に生じる拍動性の発作的な痛みで悪心・嘔吐や様々な過敏症状をともなうのが特徴です。発症には脳の硬膜動脈などにその神経終末が分布している三叉神経が関与していると考えられています。
二次性頭痛は風邪にともなう軽度のものから、見逃すと命に関わる危険なものまで様々です。
まず、くも膜下出血、椎骨・内頸動脈解離、小脳出血・梗塞など脳内の血管障害、髄膜炎や副鼻腔炎などの感染症、緑内障発作などの眼疾患が挙げられます。
そのほか、基本的に発熱を生じる病気は同時に頭痛を生じ得ます(発熱時に生じる物質が頭痛の原因にもなるため)。
リウマチ膠原病疾患では発熱するものも多いので、軽度の頭痛であればいろいろな病気で生じるといってよいでしょう。その中で特に頭痛を生じやすいものとしては、全身性エリテマトーデスが挙げられ、重度のものを特にループス頭痛と呼んでいます。また、巨細胞性動脈炎(別名 側頭動脈炎)による側頭部痛は失明のリスクがあるため大変重要です。