更新 2020/8/31
病状が軽ければ、授乳可能な薬剤に変更する方法もある
粉ミルクと比べて母乳には免疫グロブリン等の免疫物質や様々な成分が含まれているため、赤ちゃんの感染症予防に有利に働くほか、母乳育児による母体側のメリットもあると言われています。これらの理由や自然派志向などから、授乳期の赤ちゃんを育てる際はできれば母乳をあげたい方は多いと思います。
リウマチ膠原病で治療しながら出産した女性にとっても同様、治療を続けながら母乳で育てたい、という悩みをもつ方は多いです。母乳が十分に出ず断念せざるを得ない場合には諦めもどうにかつくかもしれませんが、ご自身の病気(治療薬)のせいで母乳が出ているのに赤ちゃんにあげられない、というのはなかなか受け入れにくいものです。
妊娠中に使用していた治療薬のなかに授乳を避けるべきものが含まれていた場合、病状が軽ければ授乳可能な薬剤に変更する方法もあると思います。ただ、妊娠できる薬剤にするかどうかという選択に比べると母乳か人工乳かという選択の優先度はそこまで高くありませんし、みなさんの身近にもきっと人工乳で(元気に)育てられた方はたくさんいらっしゃると思います。
授乳可能な薬剤の基準は、国や時代により変化する
出産を控えているリウマチ膠原病患者さんは、ご自身が現在使用している薬剤すべて授乳可能なものであれば問題ありませんが、その基準も国や時代により変化していますので、基本的にはリウマチ膠原病の主治医に相談をしながら薬剤選択や母乳育児の期間についての方針を決めるのがよいでしょう。
母乳にこだわるあまり、病気のコントロールが悪くなってしまっては本末転倒です。現在のご自分の病状について先生とよく話し合いながら納得できる方針を見つけましょう。