更新 2020/8/31
先発医薬品と、ジェネリックとバイオシミラーの違い
薬剤は化学合成により製造される低分子医薬品と、細胞培養技術を用いて作られるバイオ医薬品に分けられます。どちらも医薬品メーカーが長い年月と巨額の費用をかけて開発するものです。その権利を守るために特許が存在し、個々の差はありますが一般的には先発医薬品の発売から5~15年程度の独占販売が認められます。
ジェネリックとは特許が切れた先発低分子医薬品に対して、同じ有効成分を同じ量配合して作られる(同一性をもつ)後発医薬品のことです。有効成分は同じでも添加物などに違いがあります。効果や安全性で一定基準をクリアしたものがジェネリックとして発売されるため、基本的には先発医薬品と同等のものとして扱われます。
バイオシミラーとは特許の切れた先発バイオ医薬品に対して、ほぼ同じ有効成分をほぼ同じ量配合して作られる(同等性・同質性をもつ)後発バイオ医薬品のことです。バイオ医薬品は構造が複雑なタンパク質から作られる高分子化合物であるため、後発品の有効成分を完全に同じものにすることはできず、ほぼ同じ、という表現になります。もちろん効果や安全性で一定基準をクリアしたものがバイオシミラーとして発売されるため、基本的には先発バイオ医薬品と同等のものとして扱われます。
ジェネリックとバイオシミラー、価格メリットを享受するために医師と相談を
ジェネリックとバイオシミラー、どちらも先発品と微妙な違いはあるため、効果が実感できなかったり、これまでなかった副作用を生じることも稀にはあります。とはいえ、先発医薬品に比べて3~4割安くなりますし、ジェネリックの場合は半額以下になるケースもありますので、医療費の負担を考えるとどちらも積極的に使用するメリットがあります。
ジェネリックやバイオシミラーを使いたい方は先生にその希望を伝えてみてください。その際に先生の判断として、病気のコントロールのため今は先発品で行きましょうということでしたらそれに従うのがよいと思いますが、たいていは使用を許可してもらえるはずです。
ただ、院内処方の場合は薬剤保管スペースなどの都合で病院・クリニックでの薬剤採用数に制限があるため、先生の意思とは別に患者さんの希望に添えない場合があることはご承知いただきたいと思います。