更新 2020/8/31
高額療養費制度
医療機関や薬局で支払った1ヵ月間の医療費が自己負担限度額を超えたとき、その超えた金額が高額療養費として支給される制度です。
自己負担限度額は患者さんの年齢や所得区分によって異なります。複数の医療機関や薬局でそれぞれ支払いをした場合も(70歳未満は2万1千円以上の負担額のみ)それらを合算することが可能です。同じ世帯で同じ健康保険に加入している場合は(70歳未満は2万1千円以上の負担額のみ)家族での合算も可能です。1年以内に3回以上自己負担限度額に達した場合は、4回目以降は「多数回」該当となり自己負担限度額が下がります。
医療費が高額になることがわかっている場合は「限度額認定証」を前もって取得し、医療機関や薬局の窓口に提示しておくことで、窓口支払いを自動的に自己負担限度額までにとどめることができます(70歳以上で低所得者以外の方は手続き不要です)。それ以外の場合は、各窓口でいったん支払った後に支給申請を行うことで後日払い戻し(還付)を受けることができます。高額療養費の還付には3ヵ月以上の時間がかかるため、当面の医療費支払いに充てる資金として、還付見込み金額の大部分を無利子で貸付する高額療養費貸付制度があります。その他、同一世帯同一健康保険の家族で健康保険と介護保険の自己負担額を合算し、基準額を超えた場合に還付を受けることのできる、高額医療・高額介護合算療養費制度などがあります。
これらの詳細については市町村役場や健康保険組合にお問い合わせください。
付加給付制度
高額療養費制度と異なり、一部の健康保険組合や共済組合が任意で定める制度で、その基準も様々です。医療機関や薬局で支払った1ヵ月間の医療費が付加給付制度限度額を超えたとき、その超えた金額が付加給付金として支給される制度です。詳細についてはご加入の組合にお問い合わせください。
所得税の医療費控除
1年間で支払った医療費負担額が一定額を超えたとき、確定申告をすることによって所得控除が受けられる制度です。高額療養費制度では対象外となる入院時の食事代・差額ベッド代や通院の交通費なども対象となります。詳細については税務署にお問い合わせください。
難病医療費助成制度
難病指定医のもとで、指定難病の診断を受け、かつ一程度以上の重症度を満たすと判断された場合に適応となる可能性があります。指定医に記載してもらった診断書(臨床調査個人票)を都道府県・指定都市の窓口(保健所など)に提出し、審査に通れば医療費受給者証が交付されます(1年ごとに更新が必要です)。所得などに応じて毎月の自己負担上限額が決まっており、指定医療機関に医療費受給者証を提出していれば窓口支払いがこの上限までとなります。
また、指定難病の診断は受けたものの一程度以上の重症度を満たしていない軽症の方であっても、高額な医療を継続することが必要との判断で、医療費総額33300円(3割負担で約1万円)を超える月が年に3回以上あるときは、軽症高額該当として医療費助成の対象となります。
障害者の医療費助成制度
身体障害者福祉法が定める身体上の障害のある方に対して、都道府県・政令指定都市・中核市が身体障害者手帳を交付します。
身体上の障害は「視覚障害」「聴覚または平衡機能の障害」「音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障害」「肢体不自由」「内部障害(心臓機能障害や腎機能障害など)」の5つに分類され、症状の種類や日常生活で支障をきたす程度によって最重症の1級から程度の軽い7級まで7つの等級に分類されます。
障害の等級や自治体により、受けられる医療費助成や福祉サービスが異なります。
ひとり親家庭医療費助成制度
ひとり親家庭となった子供と、その子供を育てるひとり親(父、母、子育てしている人)が、健康保険証を使って病院・診療所を受診した際に、医療費自己負担の全額または一部が助成される制度です。
市区町村(自治体)によって行われ、対象年齢は都道府県により異なります。
医薬品副作用被害救済制度
医薬品が適正に使用されたにも関わらず副作用が発生し、健康被害を受けたとき、副作用によって生じた医療費等が給付される制度です。
厚生労働省所管の独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)が窓口となり、健康被害者がPMDAに請求書や診断書等の書類を送付し、厚生労働大臣による判定に基づき、給付の可否が判断されます。