日本を含め、世界中で関節リウマチの第一選択薬として使われているメトトレキサートは他の膠原病でもしばしば使われる薬剤です。その効果は誰もが認めるところではありますが、一方で肝機能異常や倦怠感、悪心、口内炎などの副作用がときどきみられます(これらを軽減するために通常は葉酸とセットで処方します)。軽度の肝機能異常や倦怠感、消化器症状などはそれほど危険なものではありませんが、血球減少や間質性肺炎など一部には発見が遅れると重篤な副作用になり得るものもときにみられます。通常は定期的な診療で副作用のチェックをしていますので、これらを疑う症状や検査所見がみられた場合、すぐにメトトレキサートを減量・中止し、大きな問題とはなりません。
ちなみにメトトレキサートの口内炎は通常痛みをともない、部位を変えてできたり治ったりを繰り返すのに対し、舌癌による潰瘍の場合は同じ部位に残存し、初期段階では痛みもほとんどないことが多いようです。