関節リウマチの特徴・病因・症状

特徴

関節リウマチ(RA:rheumatoid arthritis)とは、関節滑膜の炎症(滑膜炎)を主病態とする全身性自己免疫疾患(=膠原病)です。 ただ、他の膠原病と比べて内臓病変が少なく関節症状が主体となる傾向があること、日本での患者数が50~100万人と推測され膠原病全体でみても非常に多いこと(関節リウマチの次に多い全身性エリテマトーデスは10万人に満たない)、日本ではもともと整形外科医が診療の中心であったこと、などの理由で現在でも他の膠原病とは区別されることが多い疾患です。日本での有病率は0.5~1.0%とされており、男性と比べると女性に3~5倍多く、発症年齢は40~50歳代にやや多いものの10代から80代まで幅広く、どの年代でも発症する可能性があります。
罹病期間は

病因

発症の原因としては先天的なもの(遺伝的素因)や後天的なもの(環境要因)が複雑に絡み合っていると考えられています。つまり、遺伝子によって発症するかどうか決まってしまう遺伝性疾患ではありませんし、ある環境において非常に高い確率で発症してしまう環境因子による病気でもありません。それぞれの要素があるほど発症しやすいのは確かですから、関節リウマチを含む膠原病や自己免疫疾患の家族歴がある方はそうでない方より発症のリスクは上がりますが、関節リウマチの家族内発症の確率が       であるように発病の決定的な要因になるようなものではないですし、家族歴のないと思われる方でも発症することが多々あります。 喫煙・歯周病・腸内細菌叢の乱れなどが環境要因として挙げられ、これらがあると発病のリスクが高くなることが知られています。その他に、外傷(手術や分娩なども)や強いストレスが発症のきっかけとなることがあります。

症状

全身症状、関節症状、関節外症状の3つに分けられます。

①全身症状

軽症例ではほぼありませんが、炎症が強くなってくると微熱、倦怠感などを感じることがあります。非常に強い炎症が数ヵ月以上続くと貧血や体重減少をともなうこともあります。

②関節症状

関節リウマチの特徴として多発性、対称性、持続性(または移動性)、関節破壊性の関節炎が挙げられます。とは言っても発症初期からいきなりこうなるわけではなく、まずはひとつの関節(単発性・非対称性)に痛みや腫れを生じることから始まるのが一般的で、早いと数週間で複数の関節に症状が出ます(例外的にひとつの関節だけに炎症が続く単関節炎のケースもあります)。関節の痛みや腫れで病気を認識することもありますが、その前に朝の手指のこわばりを自覚することも多いです(逆にこわばりを感じないケースもあります)。また、関節周囲の症状として腱鞘炎(ばね指)を生じることもあります。 強い炎症が長期間続くことにより関節破壊が進行することがあります。関節破壊には骨そのものが壊れる(溶ける)骨破壊と関節軟骨が壊れる(減る)軟骨破壊とがあり、これらの片方のみが生じる場合と両方同時に進行する場合があります。また、この経過のなかで腱の固定が緩んで脱臼を生じるようになります。これら一連の過程を関節破壊と呼び、いったん壊れてしまった関節は外科的な手術以外で修復することはできません。 関節リウマチの主病態は関節にある滑膜炎ですが、そもそも滑膜とは可動性のある関節の機能を補うための役割を担っています。ですから可動性の乏しく滑膜のない線維性関節・軟骨性関節である脊椎や骨盤にはそもそも症状が出ることはありません(脊椎関節の中で頭蓋骨が乗る部位である環椎歯突起関節は可動性関節=滑膜があるので症状が出ます)。また、比較的滑膜が少ないDIP関節(手指の第一関節)は可動性関節のなかでも症状が出にくい傾向にあります。

③関節外症状

肘・膝や手足の甲側などにリウマチ結節と呼ばれる無痛性の皮膚腫瘤を生じることがあります。 内臓病変としては最も頻度の高い肺病変がリウマチ肺として知られており、間質性肺炎や気管支拡張症などが挙げられます。 血管炎を合併すると皮膚潰瘍、神経障害(多発単神経炎)、胸膜炎、心筋梗塞、強膜炎など全身性の臓器病変を生じることがあります

TEL
03-3541-2323予約制
院長
清水 久徳
診療内容
リウマチ科、内科、アレルギー科
住所
〒104-0044
東京都中央区明石町11-15 ミキジ明石町ビル2階
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